世紀末肖像
2025.12
ZIGENさんの「世紀末肖像」を観に原宿へ行ってきました。
1999年、世紀の終わりに撮られたポートレートが、壁一面に並んでいる写真展。
そこにいるのは、いわゆる“綺麗な人”だけじゃない。
若い人、年を重ねた人、
裸の人、カップル、家族。
1999年、世紀の終わりに撮られたポートレートが、壁一面に並んでいる写真展。
そこにいるのは、いわゆる“綺麗な人”だけじゃない。
若い人、年を重ねた人、
裸の人、カップル、家族。
全員が同じサイズで、同じ扱いで、並んでいます。
美容師として写真を見ると、どうしても
髪、輪郭、首の角度、姿勢、表情の力み方…
そういう細かいところに目がいきます。
この展示の人たちは、
「盛られていない」のに、すごく“その人”でした。
決めすぎてもいないし、
崩しすぎてもいない。
ただ、その瞬間の身体と顔が、まっすぐ写っています。
髪型ひとつで人の印象は簡単に変わりますが
それでも消えない“その人の核”みたいなものが
この写真には残っています。
特にうれしかったのが、私の好きなドラァグクイーンの人たちが
何人も写っていたことです。
派手なメイクや衣装の奥にある生き方や覚悟、弱さなどが
この展示ではちゃんと人間として写っていました。
派手なメイクや衣装の奥にある生き方や覚悟、弱さなどが
この展示ではちゃんと人間として写っていました。
“変わった人”でもなく、“記号的な存在”でもなく
ただの「この時代を生きた一人」として。
世紀末というタイトルは
大げさに見えますがやっていることはとてもシンプルで
「この時代にいた人たちの顔を、ちゃんと残す」
髪を切る仕事も、少し似ていると思います。
その人の髪や今の気分、
人生の途中の形を、
ほんの少し整えて、記録する仕事。
この展示を見て、
人の見た目とはやはり
表面だけじゃないんだと
改めて感じました。
