MYSTERIOUS SKIN

2025.6






2004年に作成された映画で
実に20年の時を経て日本で上映されました。

物語は2人の少年が野球チームのコーチに8歳で性的被害を受け
大人になって二人は再会しますが
そのうちの一人はその体験が忘れられずに強迫的な男娼となり
もう一人はその時の記憶を喪失しエイリアンに
連れ去られるという幻想を持ってしまいます。


近頃、映画やドラマで性的なシーンを撮影する際
監督と俳優の間に入って具体的な描写について合意を取り付ける調整役を果たす
インティマシーコーディネーターという名前をよく聞きます。


20年も前の映画ですが
子役が性的被害を受けるシーンを
映画としてのリアリティや信憑性を伝えるためにどう撮るのか
監督のグレック・アラキさんは
自身も恐怖や不安を感じながら撮影を進めました。


そして実際には
子役の両親には本物の台本を
子役には演じる活動のみを書いた別の台本が渡され
彼らの役割や登場人物の関係は無邪気な言葉で説明されたそうです。


そのような前情報を知り得ながら
この映画を観にいきました。


知っていたのに、観終わった後想像を遥かに超えるショックさに
少し立ち直れませんでした。


8歳の幼い少年たちが受けた悪戯によって人生が左右されてしまい
ニールに関してはコーチは愛してくれていたと
心の中で信じ続けて男娼として過ごしてしまった事実が本当に心が痛かったです。


大人になった二人が最後に再会し
全てを知っているニールは記憶を無くしてしまったブライアンに
あの時のことをあの部屋に侵入して話します。


ブライアンは
答え合わせの瞬間で
ニールは説明しながらも
あの頃に真実の愛なんてなかったと
悟ったのだろうと感じました。



子役に対して配慮しながら
このような映画で観る人にリアリティを
伝えられることができたことは実に素晴らしいと思いました。


ましてや20年以上も前に・・・。
映画を見る上でまた新しい面白さに気づくことができました。