ウズベキスタン旅行記 ヒバ行き寝台列車編

2024.11







先輩にタシュケントで見送られ、念願の寝台列車に乗り込む時間となりました。

時刻は21時過ぎ。

上の写真は列車の一部ですが
タシュケント − ウルゲンチ – ヒバと書いてあります。
タシュケントから第一目的地のヒバまでの道のりは14時間。
(結果的に途中停車の時間や何かで16時間くらい乗車しておりました・・・)


乗り込んだものの自分の座席がわかりません。
乗客の皆様にご迷惑をかけるように通路に突っ立ていることしかできません。


そんな私を見かねた一等座席のおじさまが助けてくださいました。

君の席はここ。
これを持ってて。
これを敷くんだ。
それをそこに置いて。

何も語らず、無言で慣れた手つきで教えてくださるのです。

私は枕を持っているだけの役割でした。
そして、あっという間に私の寝床は完成しました。
彼は無表情で自分の座席に腰をかけます。


私は一番お安い座席を購入しておりました。日本円で1400円くらいでしょうか。
横幅2メートル高さ60センチほどの座席でした。

狭い空間ですが私にとっては最高なベッドで居心地がよかったです。






途中駅に停車した際の私の枕元から見えた景色です。

降りてみたくても現在地や駅もわからず緊張からじっと
横になっていることしかできず小窓から売店の光を眺めているだけでした。


時刻は早朝5時頃。目が覚めてしまいます。
お湯がセルフでもらえるので持参していたインスタントコーヒーを飲みます。

斜め下の一等座席の優しいおじさまも起きていて
ここでも言葉を交わすことはありませんでしたが
ここで初めてにっこりと微笑んでくれました。


それからはスタンディングスタイルで出発前に買っていた朝ごはんを食べながら
朝日を見るべく太陽を待ち続けます。







果てしなく荒野は続きます。
あたりが明るくなってきました。

太陽が顔を見せるとき紫帯びていたのです。
太陽は地平線から出てこないんだと固定概念も覆されました。

朝日が昇る瞬間から昇り切るまでの時間はあっという間に感じました。





朝が来ました。
一等座席の御婦人の誘われ朝ごはんをご一緒させていただきました。

言葉は全くわかりませんが
「深くかぶっている帽子をとってごらんなさい!」
「ほら〜あなたの笑顔が素晴らしいわ!」と
褒めてくださりました。

本当は人見知りな私がそのような風になることができたのは
prahaでの環境のおかげだと感謝していたのでした。


しかし、このあと別のウズベキスタンの女性が御婦人チームの座席にきました。
私に興味をもってくださり質問攻めになるのですが
「パスポートを見せてほしい」
「英語も話せないのに1人でなんで来たんだい?」

質問の意味はなんとなく理解できても答えることができず
「Don't worry」と言葉をかけてくれましたが
萎縮してしまい言葉の壁を厚く感じるのでした・・・。


自分の座席に戻ると下の座席の女性が席をシェアしてくださりました。
お話もしながら彼女を眺めているだけなのですが楽しいのです。

ここまでの時間を振り返ると見覚えのある映画のワンシーンのように思えたのです。





私が主人公だなんて考えながら彼女をみているとうたた寝をしていました。
一等座席の優しいおじさまが目を覚ました私を見て
こちらで寝なさいと自分の座席を指差しジェスチャーで伝えてくれます。

一等座席の寝心地は最高でした・・・。

同じ座席チームの皆様と親近感が湧き仲良くなったところで別れはやって来ました。
皆、同じ駅で降りて行きました。
列車の出口まで行って手を振るとおじさまは出会ってから一番の笑顔で
手を振りかえしてくれました。

親近感が湧いたところで別れはやって来ました。
そこからの目的地までの時間は到着予定時間を過ぎ3時間ほど乗車していました。

目的地のヒバに着いたのはお昼頃。

駅や駅前の規模に圧巻され、ここから20分ほど歩いて
世界遺産のイチャン・カラに辿り着きます。

長くなってしまいましたが念願の寝台列車は忘れられない出来事でしたので
お送りいたしました。


次回はヒバ イチャン・カラ編をお送りいたします!
高津のウズベキスタン旅行記はまだまだ続きます。




saki