45rpm
2023.11
最近はありがたい事に色々な現場にお声がけ頂いてDJする機会が増えてきました。
よっぽど、どんな曲かけても大丈夫なオールジャンルのイベントかロック縛りのイベントじゃない限り、呼んでもらって期待されるのは60sソウル、R&B、モータウンビートなブラックミュージック系の選曲になっています。
でも、個人的には一番回していて楽しいのでとってもありがたく思っています。
そしてこのジャンルの中でのDJは、曲の振り幅を広くすることができ日本からイギリスからジャマイカから世界の至る所まで飛び回って、年代も飛び越えた選曲をするとができるのです。
なぜなら、ブラックミュージックを自分の中でのルーツミュージックに置いているミュージシャンは数知れず星の数ほどいるからです。
ここ日本における有名どころですと、昨今のシティポップブームの火付け役である山下達郎さんから、みんな大好き荒井由美さん、湘南のスーパースター桑田佳祐さん、地元の先輩斉藤和義さんなどなど。
50s、ロックンロール、ブルースリスナーには「いやいや。江利チエミに、笠置シヅ子も平尾昌晃に鈴木ヤスシだっているじゃないか」と言われてしまいそうですが、今回は60年代に入ってからのブラックミュージックの話なのでまた別の機会にしようと思います。
それぞれが色々な解釈の中で日本におけるソウル、R&Bを展開しています。
それが世界各地に広がっているため違和感なく繋げていけるのです。
60sソウルといえば、キャッチーでポップなモータウンが有名です。
the supreams、marvin gaye、michael jackson、stevie wonderを初め多くのスーパースターを生みました。
誰がなんと言おうと最高です。異論は認めません。
そして最強なモータウンビートとして挙げたいのが、martha reeves&the vandellas - I'm ready for loveです。
恋は慎重派なthe supreamsに対して、準備はできてるぞと積極的なmartha reeves&the vandellasといった所でしょうか。
martha reeves&the vandellasと言えば「heat wave」「dancing in the street」「quicksand」などたくさんの最高な曲がある中でも、I'm ready for loveは最強なのです。
最高と最強の違いはフロア受けしながらも、とにかく繋ぎやすいか否かといった所です。
martha reeves&the vandellas - I'm ready for love
the jam - town called malice
全曲ほとんど同じリフからのスタートになっています。元ネタはmartha reeves&the vandellasですね。
オールジャンルのイベントで盛り上がり所がわからない時に、曲を繋いでいき探りを入れて反応が合った所で進めていけば良いと言う技ができるのです。
だから最強なのです。
ジャブからのワンツーに繋がる伝家の宝刀です。
ソウル好きが集まるイベントだったらブラックミュージックで突き進んでもいいと思うのですが、そうでなかった場合にはただただ滑り続けることになってしまいます。
そうなった時に、the jamや斉藤和義に流れることができるため、完全アウェーもなんとか盛り上げられます。
だからこのパターンを使っているときは困っているかテンパっているかなので暖かく見守って頂けたら幸いです。
でもイギリスなりの日本なりの、それぞれの年代によるモータウンビートがあるという事なのです。
パックていてもいいんです。最高にカッコいいので。
でもどの曲もそれぞれのカラーを出しつつアップグレードしていることは素晴らしいことで、何十年もDJ達がかけ続けていることも納得です。
どんな名曲も時代と共に聴かれなくなってしまっていったり、コアな層だけに愛されて行くことは寂しいので、埋もれていってしまわないようフロアにかけ続けていきたいです。
I'm ready for loveはオリジナル盤の音圧が凄まじく鳥肌モノですが、一生懸命探せば2000円前後で買えるので、再発ではなくオリジナル盤で是非お買い求めください。
ren